2026年6月3日、台風6号が茨城に接近しました。6月としては記録的な大雨をもたらしたこの台風。私は翌日、日立市中央部を流れる宮田川(日立一高橋付近)の様子を見に行きました。
川は一変していました。大量の水が音を立てて流れ、2月に訪れたときの穏やかな光景とはまるで別の川のようでした。
■ 2月の宮田川——川の下にトンネルを通す、職人の技

今年の2月、この場所では法面強化工事が進んでいました。近年のゲリラ豪雨や雨量増加による法面崩壊リスクに対応するための工事です。
工事中、川の水は止められません。そこで採用されたのが「仮設トンネルによる河川切り回し」という方法です。川底にトンネルを設置し、水を地面の下に流しながら工事を進める。工事の技術はすごいですね、と当時思わず声に出てしまいました。
工期は台風シーズン前の7月完成を目標にしていました。
■ 6月3日——予想外の台風直撃

しかし、台風6号は6月という異例のタイミングで茨城を直撃しました。工事はまだ完了していない状況での被災です。
翌日、現地を確認すると、川の水量は大幅に増加し、工事現場全体が増水の影響を受けていました。
——でも、ホッとしました。
工事が完成している法面の部分は、無傷でした。
職人さんたちが丁寧に積み上げてきた仕事が、予想外の台風からしっかりと川を守ってくれていた。その事実に、思わず胸が熱くなりました。
■ 気候変動が「季節外れの台風」を当たり前にする時代へ
台風の上陸・接近は、これまで主に7〜10月とされてきました。しかし近年、6月や11月など、従来の「台風シーズン」を外れた時期の台風が増加しています。これは海水温の上昇や気候変動の影響とも言われています。
今回の宮田川のケースは、そうした変化を象徴する出来事だったと感じています。7月完成を目指していた工事が、6月の台風に直撃されたのです。
■ これからの防災で大切にしたいこと
今回の経験を踏まえ、地域の防災を考えるうえで大切にしたいポイントをまとめます。
○ 工期設定の見直し——台風シーズンを従来より広く見積もり、想定外にも対応できる柔軟な計画を
○ 住民との情報共有——工事中のリスクや進捗を地域住民と丁寧に共有し、安心感をつくること
○ 日常の観察眼を育てる——川や法面の変化に気づける目を、地域ぐるみで育てること
○ 行政・市民の協働——気候変動を踏まえた治水・防災計画を、行政と市民が一緒にアップデートしていくこと
見慣れた川が、一夜で全く違う顔を見せる。だからこそ、日頃からの備えと地域のつながりが、命と暮らしを守る力になると信じています。
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