活動日記

音楽がつなぐ人と地域〜チェリスト⭐︎土肥敬先生のサロンコンサートへ

本日(9月13日)、日立シビックセンターで開催された、
Salon Concert「三つの響きが織りなす音楽の時間」
チェリスト・土肥敬先生のサロンコンサートへ伺いました。

土肥先生とのご縁は、ひたちジュニア弦楽合奏団を通じて始まりました。
先生には長年にわたり、同楽団のチェロ講師として、子どもたち一人ひとりと丁寧に向き合い、その成長を温かく支えていただいています。
私自身も、合奏団の運営に携わる立場として、子どもたちが音楽を学び、仲間と一緒に演奏する環境を、先生と共に支えてきました。
立場は違っても、「子どもたちに音楽を届けたい」「音楽を通して、豊かな経験をしてほしい」という思いを共有しながら、一緒に活動してきたことは、私にとって大切な思い出の一つです。

技術を教えるだけでなく、仲間と音を合わせる喜びや、一つの音楽をつくり上げることの素晴らしさを伝えてくださる存在でもあります。
ひたちの子どもたちが本物の音楽に触れ、豊かな感性を育むために、長年力を尽くしてくださっていることに、改めて感謝しています。

この日は終演後、土肥先生と久しぶりにゆっくりお話しし、一緒に写真も撮っていただきました。
これからも日立市の文化を大切にした活動を続けていきたいという思いを、先生にあらためてお伝えすることができ、私にとっても心に残るひとときとなりました。
演奏を通して子どもたちを育て、地域に音楽の魅力を伝え続けている先生と、こうして長いご縁が続いていることを大変うれしく思います。

私自身、土肥先生のサロンコンサートには毎年欠かさず足を運んできましたが、昨年は指のけがのため伺うことができず、今回は2年ぶりの参加となりました。
久しぶりでしたが、演奏が始まると、たちまち「土肥ワールド」へ。
土肥先生が奏でるチェロの音色は、優しく包み込むようでありながら、時には激しく、そして深い哀愁をたたえています。
静かな音の中にも強い思いがあり、力強い演奏の中にも繊細な心の動きがある――。私は、そんな土肥先生のチェロの大ファンです。

今回は、ヴァイオリン・上野裕佳里さん、チェロ・土肥敬先生、ピアノ・平根彩乃さんによる演奏を聴かせていただきました。
演奏曲目は、モーツァルト「ピアノソナタ第13番 変ロ長調 KV333」、ラフマニノフ「チェロソナタ ト短調 Op.19」(第1・2楽章)
休憩をはさんで、
ブラームス「ピアノ三重奏曲第1番 ロ長調 Op.8」。それぞれ異なる時代を生きた作曲家の作品です。

音楽には詳しくない私ですが、ヴァイオリンとチェロが寄り添うように響く時もあれば、互いの思いをぶつけ合うように激しく響く時もあり、その間をピアノがつなぎ、時には三つの楽器を力強く前へ導いていくように感じました。
モーツァルトの軽やかで華やかな響き、ラフマニノフの美しくも哀愁を帯びた旋律、そしてブラームスの若々しい情熱と深い祈り。
それぞれの音楽が持つ表情の違いと、三つの楽器による「音楽の対話」を全身で味わうことができました。

土肥先生のコンサートの大きな魅力は、素晴らしい演奏だけではありません。
演奏の合間には、その曲が生まれた時代の歴史や社会状況、政治の動き、作曲家が置かれていた境遇や心情についても、分かりやすくお話しくださいます。
専門的な知識のない私にも作品の世界観が伝わり、音楽をより身近に、より深く楽しむことができました。

私と土肥先生は、今は演奏家と政治に携わる者という、それぞれ異なる立場にあります。
しかし、音楽や文化は人の心を豊かにし、子どもたちの感性を育み、地域に誇りとつながりを生み出す大切なものだという思いを、ずっと共有してきました。
スポーツが、体を鍛え、仲間との連帯や挑戦する力を育むものである一方、音楽や芸術、文化は、豊かな感性や他者の心を想像する力を育んでくれます。
それぞれ形は異なりますが、どちらも私たちが心豊かに暮らし、地域のつながりを深めていくために欠かせないものだと感じています。

特に、子どもたちが優れた音楽に触れ、自ら楽器を奏で、仲間と一つの音楽をつくり上げる経験は、その後の人生を支える大きな財産になります。
そうした機会を地域の中で守り、育て、次の世代へつないでいくことも、まちづくりの大切な役割だと考えています。

音楽は、決して時代や社会から切り離されて生まれるものではありません。
戦争や革命、社会の変化、人々の喜びや苦しみの中から生まれた作品も数多くあります。
そうした背景を知ったうえで演奏を聴くと、一つひとつの音が、その時代を生きた人々の声のように聴こえてきます。
音楽を通して歴史や社会に思いを巡らせることも、文化が持つ大切な力なのだと、改めて感じました。

文化は、人と人を結び、世代をつなぎ、まちの記憶を未来へ運んでくれます。
心に潤いやゆとりをもたらすだけでなく、異なる時代や立場にある人々への想像力も育ててくれます。
土肥先生が音楽を通して伝えてくださるものを大切にしながら、私も政治に携わる立場から、子どもたちが音楽や芸術に触れられる環境と、地域の文化を支える取り組みを守り育てていきたいと思います。

素晴らしい演奏と、心豊かなひとときをありがとうございました。

なお、11月29日には、いわき芸術文化交流館アリオス JA福島さくら音楽小ホールでの公演も予定されています。
(開演14:00、開場13:30、入場料一般2,999円)
ピアノ・伊藤直子さん、チェロ・土肥敬先生、ピアノ・平根彩乃さんによる、バッハ、モーツァルト、フォーレ、カサド、ブラームスのプログラムです。
お近くの皆さんにも、ぜひ三人の演奏家が織りなす豊かな響きと「土肥ワールド」を味わっていただきたいと思います。

子どもたちの豊かな感性は、学校の授業だけで育つ時代ではなく、本物の文化や音楽に触れながら、地域みんなで育てていく時代。

小さなことでも、まず動く。
地域は、そんな実践の積み重ねで変わっていくと信じています。

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